Release.2024.5病院・クリニック関連の広告を作る際に忘れてはいけない『医療広告ガイドライン』
病院やクリニックの集患に大切な広告ツールとしてチラシやポスター、看板、ホームページなどがあります。せっかく作るのだからクリニックの特徴や強みをアピールするため色々なことを掲載したいところですが、使用できる文言や内容には規制があります。
広告規制の対象
これまで病院やクリニックなどの医療広告は「医療法」などによって規制がありましたが、ホームページに関しては「医療機関ホームページガイドライン」による自主的な取り組みによって制限されているだけでした。
しかし、近年美容医療の消費者トラブルが多くなったため、ホームページも規制の対象となりました。
医療広告として規制の対象となるもの・ならないものにはどういった媒体があるのでしょうか?
【広告規制の対象になるもの】
・看板
・チラシ
・パンフレット
・雑誌や新聞などへの掲載広告
・ダイレクトメール
・テレビCM
・ホームページ
・リスティング広告
・バナー広告 など
【医療広告とみなされる情報の特徴】
①誘引性(患者の受診等を誘引する意図があるもの)
②特定性(「医業もしくは歯科医業を提供する者の氏名もしくは名称」「病院・診療所の名称」が特定できるもの)
これらの特徴があるものは「医療広告」とみなされ、規制の対象となります。
【広告規制の対象にならないもの】
・学会や専門誌で発表される学術論文、ポスター、講演など
・新聞や雑誌などでの記事
※病院・クリニック側がお金を払って掲載してもらう雑誌・新聞広告は「誘引性がある」とみなされるので、規制対象となります。
・患者自らが掲載する体験談(口コミ)など
・院内の掲示物(パンフレット、ポスターなど)
・医療機関の職員募集を目的とした求人広告
掲載禁止の表現・内容
こうして見ると対象となる広告媒体は数多くありますが、今回はホームページに関する規制をご紹介していきます。
ホームページへの掲載が禁止されている内容として、大まかに以下の5つがあります。
【ホームページへの掲載が禁止されていること】
①虚偽広告
[例1]どんなに難しい手術でも必ず成功させます。
→医学上ありえないのに「必ず成功させる」と言い切っているためNG
[例2]即日インプラント治療(全ての治療が1日で完了します。)
→治療後に定期的なメンテナンスが必要なのに「1日で完了」と掲載しているためNG
②比較優良広告
[例1]当院では患者様に最高の医療をご提供いたします。
→「最高の」「日本一の」などの最上級表現は、他の病院・クリニックと比べて自院が優れているという表現となるためNG
[例2]○○クリニックでは未熟な医師が医療を提供しておりますのでご注意ください!
→他の医療機関を誹謗することで、自院の医療が優れているという表現となるためNG
③誇大広告
[例1]当院では最先端の医療機器を導入しております。
→その医療機器が最先端であると判断する基準を示すことが難しく、定着したと認められるようになっても「最先端」という表現を継続して使用してしまうケースもあるためNG
[例2]当クリニックでは厚生労働省より施行された「医療広告ガイドライン」を遵守したサイト作成を行なっております。
→「医療広告ガイドライン」を遵守している旨は強調すべきことではないと考えられるため、このような内容を強調した文章やデザインはNG
④治療内容または治療効果についての体験談
治療内容や効果は個々の患者の状態によって異なるにもかかわらず、どの患者でも同じ効果が得られると誤認を与える恐れがあるため掲載NGです。
また、患者自身が書き込む口コミサイトでは掲載可能ですが、その掲載サイトから転載や抜粋した口コミをクリニックのホームページに掲載することはNGとなります。
⑤詳しい説明のないビフォーアフター写真
治療前後の写真のみの掲載や、必要な詳細情報(治療内容・費用・治療期間や回数・リスクや副作用など)が不足している、またはリンクをクリックしないと治療の詳細情報が見れない作りでの掲載は禁止されています。
医療広告ガイドラインに違反すると、保健所の調査、行政処分などが行われ、命令に従わない場合や悪質な虚偽広告とみなされた場合には、6ヶ月以下の懲役、30万円以下の罰金などの罰則もあります。
限定解除について
このように医療広告では様々な内容が規制されますが、これら全てを掲載できないとなると、病院やクリニックを選ぶ時に患者が適切に選択するのが難しくなってしまいます。
そこで、医療広告の掲載には「限定解除」という仕組みがあります。
この限定解除の条件を満たすことで、ホームページに掲載できる情報も多くなります。
【限定解除の条件】
① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること
② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること
③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること
④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること
引用:厚生労働省「医療広告ガイドライン」
【限定解除することで掲載できる内容(一例)】
・専門外来(禁煙外来/糖尿病外来/アンチエイジング外来 など)
・広告可能なもの以外の診療科目名や専門資格(審美歯科/総合診療科/甲状腺科 など)
・自由診療
・医薬品、医療機器の販売名
・未承認の医薬品・医療機器による治療について
・治療のビフォーアフター写真
・雑誌や新聞で紹介された旨の記事 など
さいごに
病院・クリニックのホームページは集患に有効な広告ツールですが、掲載内容を誤ってしまうと逆に信用を失ってしまったり、罰則を受けてしまうリスクもあります。
ファミリードクターでは、医療広告ガイドラインに対応したホームページ制作を行っております。ガイドラインに対応し、なおかつユーザーにとって安心して使用できるホームページの制作は、ファミリードクターにご相談ください。
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